[Hardware, Database] SPARC Enterprise M8000 with Oracle 11g Beats IBM POWER7 on TPC-H @1000GB Benchmark

OracleのSPARC Enterprise M8000は、SPARC64 VII+プロセッサ、Sun Storage F5100 フラッシュアレイストレージ、Oracle Solaris、Oracle Database 11g Release 2という構成で、TPC-Hのベンチマークで 209,533 QphH@1000GB、価格性能比で$10.13/QphH@1000GB という数値を出しました。これは、1 TB TPC-H意思決定支援のベンチマークにおけるIBM POWER7サーバの性能を上回る性能をOracle SPARCサーバが出したことになります。
Oracleはハードウェアとソフトウェアスタックの統合による性能に焦点を当てています。実装の詳細(コア数やスレッド数など)はシステム性能の重要なメトリックを曖昧にしてしまいますが、SPARC VII+ プロセッサはPOWER7プロセッサよりも低速であっても、SPARC Enterprise M8000サーバはIBM Power 780よりも高性能なのです。
  • SPARC Enterprise M8000はIBM Power 780よりも27%高速である。IBMの評判高いシングルスレッドでの性能の良さがスループットに現れていない。
  • OracleはIBM Powerを性能で上回っている。これは、IBMの着目するコア単位の性能よりも、Oracleが着目した統合システム設計のほうが、よりお客様に対する価値を提供することを意味する。
  • リフレッシュ機能において、SPARC Enterprise M8000はIBM Power 780より3.8高速である。 これも、IBMの評判高いシングルスレッドでの性能の良さがこの重要な機能に貢献していない。
  • SPARC Enterprise M8000はHP Superdome 2 (1.73 GHz Itanium 9350)より49%高速である。
  • SPARC Enterprise M8000はHP Superdome 2 (1.73 GHz Itanium 9350)よりも価格性能比で16%上回っている。
  • SPARC Enterprise M8000 serverはリフレッシュ機能においてHP Superdome 2 (1.73 GHz Itanium 9350) より2倍速い。
  • Oracleはストレージ冗長性レベル3を使った。これはTPC-H 2.14.0仕様で定義されており、最高レベルである。
  • サーバ実装の詳細(コア数やスレッド数など)はシステム性能の重要なメトリックを曖昧にしてしまうため、完全なハードウェアとソフトウェアスタックの性能に着目すべきである。
  • このTPC-Hの結果はSPARC Enterprise M8000がDSSシステム(意思決定支援システム)が必要とする大きなデータベースを扱うことができることを示している。CPUの負荷が高い状態のOracle Database 11gR2であっても、16GB/secを上回るI/Oスループットを得た。
性能比較表
Oracle、HP、IBMから販売されている、比較可能なエンタープライズクラスのシステムの公開されている結果をまとめました。各システムのRAMは512GBです。
TPC-H @1000GB
System
CPU type
Proc/Core/Thread
Composite
(QphH)
$/perf
($/QphH)
Power
(QppH)
Throughput
(QthH)
DB Available
SPARC Enterprise M8000
3 GHz SPARC64 VII+
16 / 64 / 128
209,533.6 $10.13 177,845.9 246,867.2 Oracle 11g 09/22/11
IBM Power 780
4.14 GHz POWER7
8 / 32 / 128
164,747.2 $6.85 170,206.4 159,463.1 Sybase 03/31/11
HP SuperDome 2
1.73 GHz Intel Itanium 9350
16 / 64 / 64
140,181.1 $12.15 185,297.7 142,601.7 Oracle 11g 10/20/10
[凡例]
QphH = ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステム全体のTPC-Hパフォーマンス(値が大きいほどよい)
$/QphH = ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステム全体の価格対性能比(小さいほどよい)
QppH = システムパワー
QthH = スループット
完全なベンチマーク結果はTPCベンチマークのウェブサイトにUpされています。
http://www.tpc.org

構成の概要と結果
サーバ:
SPARC Enterprise M8000
16 x SPARC64 VII+ 3.0 GHz プロセッサ (64コア, 128スレッド)
512 GB RAM
12 x internal SAS (12 x 300 GB) ディスクドライブ外部ストレージ:
4 x Sun Storage F5100 Flash Array device, each with
80 x 24 GB Flash Modules

ソフトウェア:
Oracle Solaris 10 8/11
Oracle Database 11g Release 2 Enterprise Edition

監査結果:
Database Size: 1000 GB (Scale Factor 3000)
TPC-H Composite: 209,533.6 QphH@1000GB
Price/performance: $10.13/QphH@1000GB
Available: 09/22/2011
Total 3 year Cost: $2,122,555
TPC-H Power: 177,845.9
TPC-H Throughput: 246,867.2
Database Load Time: 1:27:12

ベンチマークについて
TPC-Hベンチマークは、データウェアハウスや意思決定支援システムの実証のためにTPC(Transaction Processing Council)が定めた性能ベンチマークです。TPC-Hの測定結果はお客様がいくつかの意思決定支援システムの性能を評価するために用意されています。管理された条件下にある標準的なデータベースにてベンチマーク用のクエリおよび更新処理を実行します。異なるTPC-Hデータベースサイズ(100GB、300GB、1000GB、3000GB、10000GB)の性能予測および性能比較はTPCが許可しておりません。TPC-Hは、データウェアハウス向けで、業界特化していない汎用的なベンチマークであり、これは意思決定アプリケーションではよくある大量の複雑なクエリで構成されています。これには、データウェアハ ウスからのデータロードやパージを模するため、insert、deleteの操作も含みます。TPC-Hでは、特定のコンピュータシステム上の特定のデータベース管理システムというように、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて性能を測定します。
TPC-Hで報告される主要な性能指標は、TPC-H Composite Query-per-Hour Performance Metric (QphH@SF、SFとはRAWデータのGBの数で、スケールファクタと呼ばれる)と呼ばれます。QphH@SFは、単一ユーザ、複数ユーザの両モードでクエリを処理するシステムの性能を簡単に表現することを意図しています。ベンチマークには価格性能比(price/performance)のレポートが必要です。この値は、QphHをハードウェア、ソフトウェア、そして3年間分の保守費用の合計で割った値です。

キーポイントとベストプラクティス
  • 4個のSun Storage F5100 フラッシュアレイデバイスをベンチマークで使いました。F5100デバイスにはそれぞれ80個のフラッシュモジュール(FMODs) が入っています。各F5100から20個のFMODが一つのSAS 6GB HBAにつながっています。一つのF5100デバイスはシーケンシャルリードで4.16 GB/secの性能を示し、4個のF5100を使うと、16.62GB/secとリニアにスケールすることがわかりました。
  • Oracle Databaseの秒間スループットは16GB/secでした。
  • Oracle Solaris 10 8/11はほとんどチューニングしていません。
  • SPARC Enterprise M8000とOracle Solarisは、1000件以上のOracleのパラレルプロセスのシステム負荷を効率的に管理しました。
  • Oracle databaseのファイルはSolaris Volume Manager (SVM) でミラーリングされていました。2個のF5100アレイが別の2個のF5100アレイにミラーリングされていました。IO性能もよく、すべてのFMODに負荷分散されていました。 SVMミラーのおかげで、耐久性試験の一つであるディスク/コントローラ障害テストはOracle Databaseに対して透過的でした。
参考URL
開示説明書

SPARC Enterprise M8000 209,533.6 QphH@1000GB, $10.13/QphH@1000GB, avail 09/22/11, IBM Power 780 QphH@1000GB, 164,747.2 QphH@1000GB, $6.85/QphH@1000GB, avail 03/31/11, HP Integrity Superdome 2 140,181.1 QphH@1000GB, $12.15/QphH@1000GB avail 10/20/10, TPC-H, QphH, $/QphH tm of Transaction Processing Performance Council (TPC). 詳細は www.tpc.org でどうぞ。


原文はこちら。
http://blogs.oracle.com/BestPerf/entry/20110603_m8000_tpch_h_1000gb

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