[Linux] trying uek2

Unbreakable Enterprise Kernel Version 2 (UEK2)が Oracle Openworldで発表されました。これについても少々情報を追加したいと思います。
UEK2は Linux 2.6.39 をベースに、UEK2はLinux3.0.3まで適用されるチェンジセット(バックポートではありません)を備えています。Linusによると、2.6から3.0への変更は任意で、2.6.39以前のカーネルと設計に違いはありませんが、バージョンの変更によりユーザー空間のプログラムに影響を及ぼす可能性があります。互換性を維持し、コードの変更を避けるためには、2.6.39にしておくのが最善でした。
UEK2 beta は無料でご利用頂けます。やるべきことは、Oracle Linux 6 をインストール(edelivery から無料でダウンロードできます)し、すでにOracle Linux Supportをお使いのお客様であれば、Unbreakable Linux Network (ULN) に接続して下さい。もしちょっとお試し、という方であれば、 public yum repositoryを利用して下さい。

gitリポジトリ用にソースコードはoss.oracle.comからダウンロード出来るようになっています。
http://oss.oracle.com/git/?p=linux-2.6-unbreakable-beta.git;a=summary

2.6.32以降のメインラインカーネルの変更点をまとめると大変なので、新機能として議論した内容を列挙します。

- btrfs production.
Btrfsは厳密なテストを通りつつある素晴らしいファイルシステムで、uek2と共に、正式リリースできる品質であると発表する予定にあります。このファイルシステムには素晴らしい機能が含まれていて、過去のエントリでもご紹介していますので、ご一読下さい。BTRFSをルートファイルシステムとして使い、パッケージのアップグレード時にスナップショットを撮る機能は、間違いなく興味深い機能でしょう。既存のOracle Linux 6のbtrfsのプログラムは正常に動作しますが、UEK2チャネルにはまもなく、UEK2の全機能にフルアクセスできる、このbtrfsのユーザースペースプログラムが更新版が含まれることでしょう。

- Linux containers
これは、Solaris Zonesを移植したものではありません。Linux containersはlxcベースで、過去数年の全てのcgroupsの作業がカーネルに取り込まれています。Containerを操作するために必要なカーネルの機能はBtrfsプログラムと同様、すべてuek2に含まれていて、Oracle Linux Containerを簡単に作成できるようにするための、ユーザー空間におけるlxcツールと共に、ベータチャネルを更新する予定にしています。Oracle VMのテンプレートを使うと、簡単にコンテナとして実行させるだけでなく、Oracle VMにおける仮想マシンとして実行させるように変換できるでしょう。

- Open vSwitch
Open vSwitchは、非常に興味深い仮想スイッチ製品で、特に仮想環境で役立ちますが、Linuxブリッジの交換対象としても優れています。これらのパッケージもまた、ベータチャンネルのuek2で利用可能になる予定です。 Open vSwitchの詳細については、以下のリンクをご覧下さい。

Production Quality, Multilayer Open Virtual Switch
http://openvswitch.org/

- 現在のuekからの性能向上を含む多くの新しい拡張機能詳細については、詳細なデータやユースケースを添えて今後ブログに掲載していきます。その中で、これらの機能を使うと、他社のLinuxに比べてがいかにOracleのソフトウェアだけでなく、他社のソフトウェアであっても、メリットがあることをお伝えする予定にしています。

ULNから始める場合
uln_registerを使って、ULNにお使いのOracle Linux 6サーバを登録しましょう。サーバをクリックし、[Manage subscriptions]をクリックして、 ol6_x86_64_UEK_BETA チャネルをこのサーバのチャネルリストに追加します。その上で、サーバ上で  yum update kernel-uek を実行し、再起動して終了です。

public-yum リポジトリを使って始める場合

# cd /etc/yum.repos.d
# wget http://public-yum.oracle.com/beta/public-yum-ol6-beta.repo

リポジトリファイル (repo) を編集して、 enabled=0 から enabled=1 に変更します。
# yum update kernel-uek
Loaded plugins: refresh-packagekit, rhnplugin
This system is not registered with ULN.
ULN support will be disabled.
uek2_beta                                                |  951 B     00:00
uek2_beta/primary                                        | 339 kB     00:01
uek2_beta                                                                   8/8
Setting up Update Process
Resolving Dependencies
--> Running transaction check
---> Package kernel-uek.x86_64 0:2.6.39-100.0.12.el6uek set to be updated
--> Processing Dependency: kernel-uek-firmware >= 2.6.39-100.0.12.el6uek for pac
kage: kernel-uek-2.6.39-100.0.12.el6uek.x86_64
--> Running transaction check
---> Package kernel-uek-firmware.noarch 0:2.6.39-100.0.12.el6uek set to be updat
ed
--> Finished Dependency Resolution

Dependencies Resolved

================================================================================
 Package                Arch      Version                    Repository    Size
================================================================================
Installing:
 kernel-uek-firmware    noarch    2.6.39-100.0.12.el6uek     uek2_beta    1.1 M
     replacing  kernel-firmware.noarch 2.6.32-71.el6
     replacing  kernel-uek-firmware.noarch 2.6.32-100.28.5.el6
Updating:
 kernel-uek             x86_64    2.6.39-100.0.12.el6uek     uek2_beta     25 M

Transaction Summary
================================================================================
Install       1 Package(s)
Upgrade       1 Package(s)

Total download size: 26 M
Is this ok [y/N]:
Downloading Packages:
(1/2): kernel-uek-2.6.39-100.0.12.el6uek.x86_64.rpm      |  25 MB     00:51
(2/2): kernel-uek-firmware-2.6.39-100.0.12.el6uek.noarch | 1.1 MB     00:05
--------------------------------------------------------------------------------
Total                                           452 kB/s |  26 MB     00:58
Running rpm_check_debug
Running Transaction Test
Transaction Test Succeeded
Running Transaction
Warning: RPMDB altered outside of yum.
  Installing     : kernel-uek-firmware-2.6.39-100.0.12.el6uek.noarch        1/5
  Updating       : kernel-uek-2.6.39-100.0.12.el6uek.x86_64                 2/5
  Cleanup        : kernel-uek-2.6.32-100.28.5.el6.x86_64                    3/5
  Cleanup        : kernel-uek-firmware-2.6.32-100.28.5.el6.noarch           4/5
  Erasing        : kernel-firmware-2.6.32-71.el6.noarch                     5/5

Installed:
  kernel-uek-firmware.noarch 0:2.6.39-100.0.12.el6uek

Updated:
  kernel-uek.x86_64 0:2.6.39-100.0.12.el6uek

Replaced:
  kernel-firmware.noarch 0:2.6.32-71.el6
  kernel-uek-firmware.noarch 0:2.6.32-100.28.5.el6

Complete!

この時点で、新しいカーネルがインストールされ、利用できるようになっています。 /etc/grub.conf にはこのベータ版のカーネルが追記されていますので、単に再起動すれば利用できるようになります。

# reboot

原文はこちら。
http://blogs.oracle.com/wim/entry/trying_uek2

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