[WLS, Database] Migrating from Multi Data Source to Active GridLink

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/WebLogicServer/entry/migrating_from_multi_data_source

Oracle DatabaseのRAC(Real Application Clusters)構成に接続するためのマルチデータソース(Multi data source, MDS)をWebLogic Serverでは2005年からサポートしています。Oracle RACの人気が上がるにつれ、MDSの利用も増えてきましたが、Active GridLink(Active GridLink, AGL)を2011年はじめに導入したことに伴い、MDSをお使いのお客様でAGLへ移行したいと考える方がいらっしゃいます。移行を自動化する機構はありませんが、移行そのものはそれほど難しいものではありません。

まず、アプリケーションの変更は不要です。標準的なアプリケーションはJNDIのMDSを調べ、MDSを使って接続を取得します。AGLにMDSと同じJNDI名を付けることで、JNDIからデータソース名を利用するアプリケーションではプロセスは全く同じです。

ただ一つ変更が必要なのは、構成の部分です。AGLはMDSとメンバーの汎用データソースからの情報を組み合わせ、一つのAGL記述子にまとめますが、RACクラスターのOracle Notification Service(ONS)の構成を追記する必要があります。多くの場合、ONSの情報はMDSで利用するのと同じホスト名で構成されており、追記が必要なのはポート番号だけです。ただ、SCANアドレスを使うと簡単にすることができます。

MDS記述子には多くの情報はありません。この記述子には汎用データソースのメンバーリストがあり、これを使って必要な残りの情報を取得する場所を見つけ出すことができます。MDS記述子にはJNDI名名がありますが、これは新しいAGL名にしてアプリケーションから透過的にする必要があります。MDSをAGLと一緒に利用したい場合、AGLに新しい名前を付ける必要がありますが、アプリケーションに対しても新しいJNDI名を利用するように変更する必要があります。アルゴリズムタイプについては心配する必要はありません。

メンバーの汎用データソースの各々が個々のURLを持っています。「Appendix B Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」に説明があるように、以下のような形式で記述します。
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理 11gリリース1 (10.3.6)
B Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用
http://docs.oracle.com/cd/E28389_01/web.1111/b60997/generic_oracle_rac.htm
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理 12cリリース1 (12.1.1)
B Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用
http://docs.oracle.com/cd/E28613_01/web.1211/b65892/generic_oracle_rac.htm
Oracle® Fusion Middleware Configuring and Managing JDBC Data Sources for Oracle WebLogic Server 11g Release 1 (10.3.6)
B Using Multi Data Sources with Oracle RAC
http://docs.oracle.com/cd/E28280_01/web.1111/e13737/generic_oracle_rac.htm
Oracle® Fusion Middleware Configuring and Managing JDBC Data Sources for Oracle WebLogic Server
12c Release 1 (12.1.1)
B Using Multi Data Sources with Oracle RAC
http://docs.oracle.com/cd/E24329_01/web.1211/e24367/generic_oracle_rac.htm
jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION=
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host1-vip)(PORT=1521))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=dbservice)(INSTANCE_NAME=inst1)))
各メンバーにはホストとポート番号のペアがあるはずです。同じサービスで異なるホストで同じポート番号を持つことが多いはずです。AGLのURLにはホストとポート番号のペアがあります。
jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host1-vip)(PORT=1521))
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host2-vip)(PORT=1521)))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=dbservice)) 
複数のホストや仮想IP(VIP)アドレスを使うよりも、Oracle Single Client Access Name(SCAN)アドレスを使ったほうがよいでしょう。この場合、URLは以下のようになります。
jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=scanaddress)(PORT=1521)))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=dbservice))
かなりシンプルで、クラスター内のノードに変更に対し透過的です。このセクションではOracleのURLを書く完全な説明をするつもりはないので、Oracle RAC管理ガイドをご覧下さい。
[訳注]
ドキュメントへのリンクを追記しておきました。
Oracle® Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド 11g リリース2 (11.2)
http://docs.oracle.com/cd/E16338_01/rac.112/b56290/toc.htm
Oracle® Real Application Clusters Administration and Deployment Guide 11g Release 2 (11.2)
http://docs.oracle.com/cd/E11882_01/rac.112/e16795/toc.htm
MDSからAGLに置き換える場合、設定からMDSおよび汎用データソースを管理コンソールを使って削除し、単一のAGLデータソースを追加する必要があります。このプロセスはこの章のはじめに記載がありますが、MDSと同じJNDI名にし、汎用データソースがXAドライバー、もしくは非XAドライバーを使っていたか選択します。上述のように完全なURLを入力することができます。ユーザー名やパスワードはMDSメンバーのうちの一つ(できれば全て)のユーザー名・パスワードと同じであるべきです。[GridLinkデータベース接続のテスト]ページへ移動し、「すべてのリスナーをテスト」をクリックして、指定した新しいURLが正しく動作していることを確認しましょう。次のページでONS接続の情報を指定する必要があります。
“host1-vip:6200”とか、“scanaddress:6200”といった具合に、一つ以上のホスト名とポート番号のペアを指定しましょう。可能であれば、単一のSCANアドレスとポート番号を使いましょう。[FANの有効化]をチェックすることをお忘れなく。次のページで、ONS接続をテストします。これでデータソースのデプロイの準備が整いました。
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理 11gリリース1 (10.3.6)
4 GridLinkデータ・ソースの使用
http://docs.oracle.com/cd/E28389_01/web.1111/b60997/gridlink_datasources.htm
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理 12cリリース1 (12.1.1)
4 GridLinkデータ・ソースの使用
http://docs.oracle.com/cd/E28613_01/web.1211/b65892/gridlink_datasources.htm
Oracle® Fusion Middleware Configuring and Managing JDBC Data Sources for Oracle WebLogic Server 11g Release 1 (10.3.6)
4 Using GridLink Data Sources
http://docs.oracle.com/cd/E28280_01/web.1111/e13737/gridlink_datasources.htm
Oracle® Fusion Middleware Configuring and Managing JDBC Data Sources for Oracle WebLogic Server 12c Release 1 (12.1.1)
4 Using GridLink Data Sources
http://docs.oracle.com/cd/E24329_01/web.1211/e24367/gridlink_datasources.htm
作成フローで構成できないデータソースのパラメータがたくさんありますので、戻ってAGLデータソース構成を編集する必要があります。設定するパラメータは、一般にMDSメンバーのデータソースで使用していたパラメータに基づくべきです。できれば全て同じであることが望ましいのですが、そうでない場合には、正しい値を決定する必要があります。

[訳注]
Active GridLink for RACについては、以下のホワイトペーパーも参考にしてください。
Oracle WebLogic Server Active GridLink for Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)
http://www.oracle.com/technetwork/jp/middleware/weblogic/gridlink-rac-wp-1394921-ja.pdf

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