最も一般的な方法として、腕まくりして"ROI for SOA"のスプレッドシートを開いてコストと利益をチェックすることです。結構時間はかかりますが、これは非常に効果的で、理想的なアプローチです(ただし、別のアプローチも存在します)。
ROI for SOAのスプレッドシート
http://www.oracle.com/technetwork/topics/entarch/itso-165161.html
スプレッドシートは、それぞれの提案されたサービスと、個々のサービスの設計、開発、テストおよび実装のためのコスト(サービスの再利用を可能にするために追加された時間などを含む)の列の行から始まります。次に、再利用の割合、再利用によって節約できた時間、年間のコスト削減推定値、損益分岐日付などを設定します。数ヶ月間でこのスプレッドシートを洗練させてから、幹部との会議を設定しましょう。ミーティング参加者が多いほど、より多くの付加的な分析を作成する必要があります。 一つ提案するとすれば、ボトムアップアプローチとは対照的に、それよりむしろ最新の企業のビジネス目標に基づいてトップダウン的なアプローチを取るべき場合もあるかもしれません。最初にトップダウンアプローチで始めたなら、ボトムアップアプローチもいいかもしれません。この提案がお役にたつこともあるかもしれませんが、既にエンタープライズSOAに移行していたり、貴社よりもずっと迅速に移行できる競合他社に追いつくことが困難になってしまう可能性もあります。例えばOnStarは、サービスを広範に再利用することで、1日目からプロジェクトが75%完了している状態でスタートします。これにより、競合他社に比べてタイムツーマーケットの点で大幅にメリットがあります。
Rethink SOA - A Recipe for Business Transformation (SOA World Magazine)
http://soa.sys-con.com/node/1870465
幸いにも、エンタープライズ規模のSOAへの積極的な投資を納得してもらうための別の戦略があります。最近のOracle OpenWorld 2011で、Choice Hotelsのアプリケーション開発およびアーキテクチャを担当するVPの Rain Fletcherならびに、Choice Hotelsの主要なエンタープライズアーキテクト、Eben Hewitt とCharlie Taylorが、シンプルでありつつも強力な方法で、幹部との大きなミーティングにおいてどうやって素早く賛同を得たかを紹介してくれました。
スプレッドシートのセルを辿るよりも、彼らは「百聞は一見に如かず」(百聞はスプレッドシートのセルというべきでしょう)の戦略をとりました。 SOA討論会の間に、Ebenは、主要な会議を数え直し、「エンタープライズSOA戦略のROIとは何か」という質問を楽しみにしている、と述べたのです。会議の前に、アーキテクトが堅苦しくない形で、ホワイトボード上に既存のアーキテクチャを描きました。このホワイトボードは時間をかけて進化し、ニューヨークの地下鉄、ロンドンの地下鉄マップ、およびボストンT(地下鉄)のようにお互いが重なり合うという、複雑なもの、絶望的に複雑なものになっていきました。ほとんどのビジネスに特化した経営幹部は、エンタープライズSOAを最優先課題とみていない可能性がありますが、 Choice Hotel の幹部は、ホワイトボードの画を一目見て、すぐにインターネットベースのビジネスが、なぜ彼らが期待するペースで進んでいなかったのか、なぜ最新のGoogle APIの相互運用性を使って革新できなかったのか、そして革新的なクラウド環境を使ってマーケットの一番手になり得なかったのか、ということを理解しました。 "スパゲッティ/鳥の巣"の図の視覚的なインパクトがきっかけで、現状のビジネスの慣性の課題、つまりこのインフラ(下図参照)をベースにしては急速に進化することは困難だ、ということを理解したのです。
Choice HotelsのSOA導入前のアプリケーションアーキテクチャのホワイトボードの図 |
Oracle OpenWorldのSOA討論会:Choice HotelsのRain Fletcher(一番右)とEben Hewitt (右から2人目)がSOAのROIの理由を説明しています |
原文はこちら。
http://blogs.oracle.com/SOA/entry/justifying_the_roi_of_soa
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