JavaOneが、今現在もしくは近い将来のテクノロジー、プロジェクト事例などを紹介する、どちらかと言えばユーザーサイドの開発者寄りのイベントであるのに対し、JVMLSはJavaをはじめとするJVMで動作する言語の実装の詳細や将来の実装方針などを説明する、技術的にかなりコアな内容を取り扱うイベントです。参加者はOracleをはじめとして、Facebook、Google、IBM、AWS、Alibaba、その他Expert GroupメンバーやOpenJDK開発者が参加していました。
# 昨年のJavaOneで "I'm your father." の台詞を(台本持ちながら)言ったあの方も参加登録されていましたが、来場はされていなかったようです。
会場は、Santa Clara CampusのOracle Auditoriumでした。
セッションについて
Workshopを除き、YouTubeに公開されています。セッションの内容は、「おおっ、それ早く実装してちょうだい」と思わされるもの、「いや、それ自己満足の世界じゃないか」ってもの、キワモノまで玉石混交でしたが、色々な意味を含めて、知的好奇心を満たすのに十分に濃い内容であったといえます。
個人的には、Graal、Pattern Matchingの話は興味深かったですね。その他、キワモノ好きにはたまらない内容でした。
JVMV8について語ったJim Laskey(NashornのTech Lead)は、セッション内で以下のようなことを言ってました。
「NashornはJavaScriptの形でJavaのアーティファクトにアクセスすることを目的に作成したんだけど、利用者からは、JVMでJavaScript、特にNode.jsなどを動かすことを期待されたんだよね」# いやいや、J2V8ってのがあるんで、何を今更、という感じはしましたし、Graalでもいいのでは、と心の中でツッコミを入れましたが。
「過去には確かに頑張ったんだけど、(Avatar.jsってのもあったけど、お蔵入りになって)やっぱりだめだった」
「V8やSpiderMonkeyは着実に進化していて、それに追随するの結構つらいのよ」
「だから、V8をJVMから操作できるようにしたらええんちゃうの、って思って、JVMV8ってのを作ってみたわけよ」
「来年はJVMLSに参加してみたい!」と思ってらっしゃる方に
- 基本的に現在リリースされているものや近い将来(今回の場合で言えばJDK 9)に対する情報は出てこないので、そういう情報を知りたい場合にはJavaOneのほうがいいでしょう
- JDKやJVMの深いところまで知っていると、話についていけるので楽しめるでしょう
- 実験的なプロジェクト(例えばGraalとか)に興味がある人には面白いでしょう
- Workshopは日本で言うところのHands-onではなく、Discussionなので、話を聞いているだけよりは質問を投げかけられるほうが楽しいでしょう
食事、宿泊、フライトについて
- 食事は朝、昼と出ます。味は個人の好みがあるので何とも言えませんが、JavaOneのようなことはありません。今年は2日目の夜にイタリアンレストランでDinnerでしたので、食事代はあまりかからずにすみました。
- 最寄りのホテルは、Hyatt House Santa Claraです。Oracle Campusまで徒歩で行けます。
- Hyatt House Santa Claraに泊まった場合、Safewayというスーパーマーケットが近くにあるので買い物には困りません(食料品がアメリカサイズなのはご愛敬)。
- 空港(San Jose International Airport)からは5マイル弱なので、ホテルに送迎を依頼できます。もちろんUberやレンタカーでもOKです。
- フライトは、2017/08/02現在ANAの直行便があります。この時期は乗り継ぎ便でも直行便よりお値段が高くなることがありますので、行くと決めたらさくっと予約されることをお奨めします。
その他
- 今年はAlibabaの方が発表していたので、いずれ日本の誰かが発表される日が来ることを願っています(個人的には、全てにAliという頭文字が付くのがどこかの会社と同じように思えてなりませんでした)。
- 屋外はいかにも夏な陽射しですが、会場は例によってエアコン効きまくっているので、上着必須です。OpenWorldやJavaOneの会場と同じぐらいのエアコンの効き具合と思っていただければ。
- 参加の記念品に、Project Jigsawにかけてジグソーパズルを頂きました。
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