[WLS] Even Applications can be Updated with ZDT Patching

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/WebLogicServer/entry/even_applications_can_be_updated

Zero Downtime Patchingは、アプリケーションの停止やエンドユーザのセッション消失をせずにWebLogic Serverで動作する本番環境のアプリケーションのアップデートすることができます。この新機能は特に複数のアプリケーションを同時にアップデートしたい人や、様々な理由や制限でプロダクション再デプロイメント(Production Redeployment)機能を使うことができない、そんな人たちにとりわけ有用かもしれません。今や複雑なアプリケーションへのパッチ適用方法に対する便利な代替方法があります。

このロールアウトは、アプリケーションがサービスリクエストを受け付け続けながらドメイン間でのロールアウトを自動化するプロセスやメカニズムをベースにしています。信頼性の高い自動化に加え、Zero Downtime Patching機能はOracle Traffic Director (OTD) ロードバランサとWebLogic Serverを組合せ、アクティブなセッションを保持しつつ、パッチ適用時に互換性のないセッション状態を取り扱うための、より優れたテクニックを提供します。
  1. アプリケーションのアップデートを実行するためには、以下のたった3個の手順を踏むだけです。アップデート対象のアプリケーションのコピーを用意し、テスト、検証します。管理者はアップデート対象のアプリケーションソースが適切なノードに展開されていることを確認する責任があります。ステージ・モードでは、アップデート対象のソースが管理サーバがアプリケーションソースを配布するためにファイルシステム上で利用可能になっている必要があります。ステージモードがない場合、もしくは外部ステージモードの場合は、アップデート対象のアプリケーションソースは各ノードのファイルシステムで利用可能になっている必要があります。
  2. Create a JSON形式のファイルを作成し、ロールアウト中にアップデートが必要なアプリケーションの詳細を記載します。
  3. {
      "applications": [
        {
          "applicationName":"ScrabbleStage",
          "patchedLocation":"/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleStagev2.war",
          "backupLocation": "/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleStagev1.war"
        },
        {
          "applicationName":"ScrabbleNoStage",
          "patchedLocation":"/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleNoStagev2.war",
          "backupLocation":"/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleNoStagev1.war"
        },
        {
          "applicationName":"ScrabbleExternalStage",
          "patchedLocation":"/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleExternalStagev2.war",
          "backupLocation":"/scratch/wlsconfg/Domains/Domain1221/applications/ScrabbleExternalStagev1.war"
        }
      ]
    }
    
  4.  あとは、以下のようなWLSTコマンドを使ってApplicationのロールアウトを実行するだけです。
    rolloutApplications("Cluster1", "/pathTo/applicationRolloutProperties")
    管理サーバは、"Cluster1"という名前のクラスタに所属する各メンバーノードのローリング・リスタートを調整するロールアウトを開始します。サーバがシャットダウンすると、元のアプリケーションソースを特定のバックアップ先に移動し、新たなアプリケーションソースをコピーします。各サーバが順に管理モードで起動します。サーバが管理モードにある間、アプリケーションの再デプロイコマンドが特定サーバに対して呼び出され、これにより新しいソースがリロードされます。その後、サーバは元の実行状態に戻り、アップデートされたアプリケーションでリクエストを受け付けます。
Zero Downtime Patchingを使ったアプリケーションの更新について詳細は以下のドキュメントをご覧ください。
Oracle® Fusion Middleware Administering Zero Downtime Patching Workflows 12c (12.2.1)
Overview: Rolling Out Updated Applications
http://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLZDT/intro.htm#WLZDT163

[Support, FMW, Database, EM] Database、EM、MiddlewareのBundle Patchのバージョン番号表記が変わります

2015年11月より、Oracle Database、Enterprise Manager、Middleware製品の新しいBundle Patch (BP)、Patch Set Update (PSU)、Security Patch Update (SPU) のバージョン番号のフォーマットが変わります。新しい形式では、Bundle Versionの5桁目が、メインのBundle、PSU、SPU のリリース日付を"YYMMDD"で表記したものにかわります。
  • YY:西暦年の最後の2桁
  • MM:月(数字、2桁)
  • DD:日付(数字、2桁)
2016年1月19日(US時間)にリリースされる四半期毎のパッチで、ほとんどのものがこの形式に変わります。
詳しくは、以下のサポート文書をご覧ください。
Oracle Database, Enterprise Manager and Middleware - Change to Patch Numbering from Nov 2015 onwards (Doc ID 2061926.1)
https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=2061926.1
Oracle データベース, Enterprise Manager, ミドルウェア - 2015年11月以降パッチの番号付けの変更 (Doc ID 2074965.1)
https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=2074965.1
表現の変更例を下表にまとめました。
旧表記新表記
WebLogic Server PSU 12.1.3.0.6WebLogic Server 12.1.3.0.160119
Enterprise Manager Base Platform PSU 12.1.0.4.6Enterprise Manager Base Platform PSU 12.1.0.4.160119
Database PSU 11.2.0.4.9Database PSU 11.2.0.4.160119
Exadata Database Bundle Patch 11.2.0.4.21Exadata Database Bundle Patch 11.2.0.4.151117

[WLS, Java] WLS JNDI Multitenancy

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/WebLogicServer/entry/wls_jndi_multitenancy

WebLogic Server 12.2.1で導入された最も重要な機能は、マルチテナントです。
Understanding PaaS Multitenancy
http://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLSMT/concepts.htm#WLSMT724
Domain Partitions for Multi-tenancy in WebLogic Server 12.2.1
https://blogs.oracle.com/WebLogicServer/entry/domain_partitions_for_multi_tenancy
http://orablogs-jp.blogspot.jp/2015/11/domain-partitions-for-multi-tenancy-in.html 
ご存知のように、WebLogic Server 12.2.1までは、1 WebLogic Serverドメインを、1テナントで使用しますが、WebLogic Server 12.2.1からは、WebLogic Serverドメインを複数のパーティションに分割してテナントがWebLogic Serverドメインの異なるパーティションを利用することができるため、複数のテナントが1個のWebLogic Serverドメインを互いに影響することなく共有することができます。それゆえ、パーティション間のリソースの分離が重要です。JNDIがこれらのリソースにアクセスするための一般的な方法ですので、WebLogic Server 12.2.1でのJNDIの主な目標は、JNDIリソースを分離することにあります。

WebLogic Server 12.2.1までは、WebLogic ServerドメインのJNDIグローバルツリーしかありません。パーティションには一意の分離された名前空間が必要なので、この1個のJNDIグローバルツリーで複数のパーティションをサポートすることは困難です。例えば、複数のパーティションが同じJNDI名を使って個別にJNDIリソースをバインド/ルックアップをすることができますが、NameAlreadyBoundExceptionになることでしょう。異なるパーティションでJNDIリソースを分離するため、すべてのパーティションには、WebLogic Server 12.2.1以降の一意のJNDIグローバルツリーがあります。そうすることで、テナントは、他のパーティションと名前が競合せずに、パーティションのJNDIリソースを操作することができます。アプリケーションスコープのJNDIツリーの場合、アプリケーション内部でのみ見えるので、自然に分離しますから、アプリケーションスコープのJNDIツリーは、WebLogic Server 12.2.1で変更する必要はありません。では、パーティションのJNDIリソースへのアクセス方法を見てみましょう。

Access JNDI resource in partition

パーティションのJNDIリソースにアクセスするには、InitialContext作成時にパーティション情報をプロバイダURLプロパティに指定する必要があります。
partition1情報をInitialContext作成時にプロパティに追加し、partition1のJNDIリソースにアクセスします。
Hashtable<String, String> env = new Hashtable<>();
env.put(Context.PROVIDER_URL, "t3://ms1:7001/partition1");
env.put(Context.SECURITY_PRINCIPAL, "weblogic");
env.put(Context.SECURITY_CREDENTIALS, "welcome1");
Context ctx = new InitialContext(env);
Object c = ctx.lookup("jdbc/ds1");
Partition2はクラスタで動作するので、クラスタアドレス形式を使ってInitialContext作成時にプロパティに指定する必要があります。
Hashtable<String, String> env = new Hashtable<>();
env.put(Context.PROVIDER_URL, "t3://ms1:7001,ms2:7003/partition2");
env.put(Context.SECURITY_PRINCIPAL, "weblogic");
env.put(Context.SECURITY_CREDENTIALS, "welcome1");
Context ctx = new InitialContext(env);
Object c = ctx.lookup("jdbc/ds1");
WebLogic Serverでは、外部JNDIプロバイダを作成して別サーバのJNDIリソースをリンクすることができます。WebLogic Server 12.2.1では、構成にパーティション情報を追加すれば、外部JNDIプロバイダを使って指定のパーティションのJNDIをリンクすることもできます。これらのパーティション情報(URL、ユーザ名、パスワードなど)を使ってJNDIコンテキストを作成します。以下はPartition1の外部JNDIプロバイダ構成例です。このプロバイダはpartition2にリンクします。
<foreign-jndi-provider-override>
  <name>jndi_provider_rgt</name>
  <initial-context-factory>weblogic.jndi.WLInitialContextFactory</initial-context-factory>
  <provider-url>t3://ms1:7001,ms2:7003/partition2</provider-url>
  <password-encrypted>{AES}6pyJXtrS5m/r4pwFT2EXQRsxUOu2n3YEcKJEvZzxZ7M=</password-encrypted>
  <user>weblogic</user>
  <foreign-jndi-link>
    <name>link_rgt_2</name>
    <local-jndi-name>partition_Name</local-jndi-name>
    <remote-jndi-name>weblogic.partitionName</remote-jndi-name>
  </foreign-jndi-link>
</foreign-jndi-provider-override>

Stickiness of JNDI Context

JNDIコンテキストを作成すると、コンテキストは指定されたパーティションに関連付けられるので、この後のJNDIの操作は、関連付けられたパーティションのJNDIツリー内で実施します(現在のパーティションのJNDIツリーではありません)。この関連付けられたパーティションは、コンテキストを作成時とは異なるスレッドが使っている場合でも残ります。JNDIコンテキスト作成時にプロバイダURLプロパティを環境に設定すると、プロバイダURLで指定されたパーティションに関連付けられます。そうでない場合、JNDIコンテキストは現在のパーティションに関連付けられます。

Life cycle of Partition JNDI service

WebLogic Server 12.2.1までは、JNDIサービスのライフサイクルはWebLogic Serverと同じですが、12.2.1からは各パーティションが個々でJNDIグローバルツリーを持つため、JNDIサービスのライフサイクルはパーティションに一致します。パーティション開始時にすぐJNDIサービスが利用でき、パーティションのシャットダウンで当該パーティションのJNDIサービスは破棄されます。

[WLS, FMW] Pack/Unpack No More...

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/OracleWebCenterSuite/entry/pack_unpack_no_more

これまでWebLogic Serverドメインを作成する場合、ご存じのように管理サーバでドメインを作成・構成した後に、PACKコマンドを使って管理対象サーバテンプレートを作成する必要があります。その後、このテンプレートを管理対象サーバが動作するすべてのホストにコピーし、管理対象サーバドメインをUNPACKコマンドを使って作成します。

ドメイン作成を自動化したい場合、追加の手順として、テンプレートを管理サーバと管理対象サーバ間で共有される場所に配置するか、もしくはSCPのようなホストコマンドを使ってテンプレートを転送する必要があります。管理対象サーバから管理サーバに接続し、ドメインを何とかダウンロードできうようなコマンドが欲しいと思うことでしょう。

WebLogic 12.2.1からは、リモートマシン上の管理対象サーバドメインをオンラインWLSTを使って作成することができるようになりました。手順は以下のドキュメントに記載されています。
Oracle® Fusion Middleware Understanding the WebLogic Scripting Tool 12c (12.2.1)
Creating a Managed Server Domain on a Remote Machine
https://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLSTG/domains.htm#WLSTG406
以下はドキュメントに掲載されているスニペットです。
import os

wlsHome = os.getenv('WL_HOME')
mwHome = os.path.join(wlsHome, '..')

#Substitute the administrator user name and password values below as needed
connect('adminusername','adminpassword','localhost:7001')

#The path on the local machine where the template will be created,
#it should not already exist.
templatePath = 'user_templates/myTemplate.jar'

#get the packed template from the Administration Server
writeTemplate(templatePath)

#disconnect from online WLST connection to the Administration Server
disconnect()

#select and load the template that was downloaded from the Administration
#Server.
selectCustomTemplate('templatepath')
loadTemplates()

#specify the domain directory where the domain needs to be created
domainPath = 'domains/myRemoteDomain')

#create the domain
writeDomain(domainPath)

[WLS, FMW] Changes to some WLST Commands in 12.2.1

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/OracleWebCenterSuite/entry/changes_to_wlst_commands_in

WLSTを使ってドメイン作成のためのスクリプトを作っていましたが、これまでのWLSTコマンドのいくつかがWebLogic Server 12.2.1で非推奨になっていることに気付きました。以前の場合、新しいドメイン作成のために、以下のスニペットのようなスクリプトを使っていました。
readTemplate("/u01/app/oracle/middleware/wlserver_10.3/common/templates/domains/wls.jar")
addTemplate("/u01/app/oracle/middleware/oracle_common/common/templates/applications/oracle.em_11_1_1_0_0_template.jar")

# ... configure domain here ...

writeDomain("/u01/data/domains/mydomain")
closeTemplate()
12.2.1からは、readTemplate() と addTemplate() コマンドが非推奨になり、selectTemplate() と loadTemplates() に置き換わりました。selectTemplate() コマンドを使って機能を選択し、 loadTemplates() コマンドは当該機能に必要なすべてのテンプレートをロードします。新しいメソッドを使って新しいドメインを作成する場合、以下のスニペットのようなスクリプトを使います。
selectTemplate("Basic WebLogic Server Domain", "12.2.1")
loadTemplates()

# ... configure domain here ...

writeDomain("/u01/data/domains/mydomain")
ドメイン作成に関するドキュメントは以下からどうぞ。
Oracle® Fusion Middleware Understanding the WebLogic Scripting Tool 12c (12.2.1)
Creating WebLogic Domains Using WLST Offline
Editing a WebLogic Domain (Offline)
https://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLSTG/domains.htm#WLSTG161
WLSTコマンドや変数のリファレンスは以下からどうぞ。
Oracle® Fusion Middleware WLST Command Reference for WebLogic Server 12c (12.2.1)
WLST Command and Variable Reference
Control Commands
https://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLSTC/reference.htm#WLSTC140
また、pack/unpack コマンドを使って手作業でドメインを管理対象サーバに複製する必要もなくなっています。管理対象サーバで以下のドキュメントに記載されているオンラインWLSTスクリプトを実行することで実現することができます。
Oracle® Fusion Middleware Understanding the WebLogic Scripting Tool 12c (12.2.1)
Creating a Managed Server Domain on a Remote Machine
https://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/WLSTG/domains.htm#WLSTG406

[Linux] Announcing the general availability of Unbreakable Enterprise Kernel Release 4

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/linux/entry/announcing_the_general_availability_of4

Oracle LinuxチームはOracle Linux 6およびOracle Linux 7向けUnbreakable Enterprise Kernel (UEK) Release 4のGAを発表できうれしく思っています。このリリースは4.1メインラインカーネルをベースにしており、最新のクラウドインフラストラクチャのために設計された数多くの重要な新機能や機能強化をお届けします。
  • 自動NUMAバランシングやCPUスケジューラのような機能に対する機能強化により顕著なパフォーマンス向上を果たしました。また、zswapやzram、LZ4圧縮アルゴリズム、ネットワークバッチ伝送、低レイテンシのネットワークポーリングといった新機能を導入しました。
  • システムと、ホストするアプリケーションのセキュリティを高めるためのたくさんのオプション。UEK Release 4には、カーネルアドレス空間のランダム化、新たな乱数システムコールやSELinux、nftables、SHA256、SHA512などの主要領域分野でのアップデートが含まれています。
  • クラウドインフラストラクチャの管理をシンプルにし、セキュリティを向上するための、Ksplice for Oracle Linuxを使ったカーネルおよびユーザ空間へのリアルタイムパッチ適用
  • 主要なクラウドテクノロジーのサポート。Xenホストやゲストドメイン機能とパフォーマンス強化、ネットワークではOpen vSwitch、VXLANの機能向上、LinuxコンテナやDockerでは、cgroupsや名前空間の強化
  • 本番システムでの動的なリアルタイムシステムトレーシングのためのOracle Linux DTraceの強化
  • 基になるFireflyのリリースに基づいて、Ceph Storage for Oracle Linux Release 1.0の製品リリースとサポート
  • タイマーレス(tickless)マルチタスキング、デッドラインスケジューリングクラスの追加を含む、リアルタイムカーネルの新機能
  • プロトコル、ドライバ、ファームウェアの改善を含む、infiniband機能の強化
  • XFS、Btrfs、Ext4、NFS、FUSE、Overlayファイルシステムのような重要な領域に対する多くのアップデート
  • 最新のハードウェアをサポートするよう、数多くのドライバをアップデート
これら主要なエンジニアリングの成果がすべてのOracle Linuxのお客様に利益をもたらします。本リリースの詳細については、以下のリリースノートをご覧ください。
Oracle® Linux Release Notes for Unbreakable Enterprise Kernel Release 4
https://docs.oracle.com/cd/E52668_01/E69348/html/index.html
Oracle LinuxはOracle Software Delivery CloudやOracle Yumリポジトリからダウンロードいただけます。
Oracle Software Delivery Cloud
https://edelivery.oracle.com/linux
Oracle Linux Yum Server
https://yum.oracle.com/

[WLS, Database] WLS UCP Datasource

原文はこちら。
https://blogs.oracle.com/WebLogicServer/entry/wls_ucp_datasource1

WebLogic Server (WLS) 12.2.1では、Oracle Universal Connetion Pool(UCP)を代替接続プールとして利用する新たなデータソースタイプが導入されています。UCPデータソースを使うと、WebLogic Serverドメインの一部としてUCP接続プールの構成、デプロイ、監視が可能です。Oracle Thin Driver(シンプル、XA, リプレイ・ドライバ)での動作保証済みです。

製品ドキュメントは以下にあります。
Oracle® Fusion Middleware Administering JDBC Data Sources for Oracle WebLogic Server 12c (12.2.1)
Using Universal Connection Pool Data Sources
http://docs.oracle.com/middleware/1221/wls/JDBCA/ucp_datasources.htm#JDBCA746 
この記事の目的は、情報を再生産することではなく、機能をまとめて追加情報やデータソース構成時のスクリーンショットを提供することにあります。
UCPデータソースはjdbc-data-sourceディスクリプタを使ってシステムリソースとして定義します。Multitenantでは、これらのシステムリソースをドメインレベル、パーティションレベル、リソースグループテンプレート、リソースグループレベルで定義できます。

UCPデータソースの構成は、標準的なデータソースパラメータを使い、非常にシンプルです。 名前を付け、URL、ユーザ名、パスワード、JNDI名を設定すればよく、詳細な構成やチューニングのほとんどは、UCP接続プロパティのフォームで実施します。管理者はLogWriterを除いた、oracle.ucp.jdbc.PoolDataSourceImplがサポートする任意のsetterのための値を設定することができます。これは属性名(大文字小文字を認識します)から"set"を取り除いたものです。
Oracle® Universal Connection Pool for JDBC Java API Reference 11g Release 2 (11.2)
oracle.ucp.jdbc - Class PoolDataSourceImpl
http://docs.oracle.com/cd/E11882_01/java.112/e12826/oracle/ucp/jdbc/PoolDataSourceImpl.html 
例えば、以下のような形で属性値を設定できます。
ConnectionHarvestMaxCount=3
ドキュメントのTable 8-2では、WebLogic Server 12.2.1に同梱されている12.1.0.2 UCP jarファイルを基づき、現在サポートされているUCP属性のすべてをリストアップしています。
組み込み済みの検証として、ドライバと接続ファクトリの常識的な組合せがあります。
ドライバ接続ファクトリクラス (ConnectionFactoryClassName)
oracle.ucp.jdbc.PoolDataSourceImpl (default)oracle.jdbc.pool.OracleDataSource
oracle.ucp.jdbc.PoolXADataSourceImploracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource
oracle.ucp.jdbc.PoolDataSourceImploracle.jdbc.replay.OracleDataSourceImpl
接続をシンプルにするため、"ドライバ名"を指定しない場合、oracle.ucp.jdbc.PoolDataSourceImplがデフォルト値となり、ConnectionFactoryClassName接続プロパティは上表の対応するエントリがデフォルト値になります。

製品ドキュメントのExample 8.1では、UCPデータソースをWLSTで作成する完全な例ですが、WLSTの使用はこの頃のアプリケーション構成では一般的です。

weblogic.management.runtime.JDBCUCPDataSourceRuntimeMBeanを使って監視できます。このMBeanはJDBCDataSourceRuntimeMBeanを拡張したものなので、管理コンソールやWLSTスクリプトといったツールのために、JDBCサービスから他のJDBC MBeanのリストを伴って結果を返します。UCPデータソースのために、状態や以下の属性を設定します。
  • CurrCapacity
  • ActiveConnectionsCurrentCount
  • NumAvailable
  • ReserveRequestCount
  • ActiveConnectionsAverageCount
  • CurrCapacityHighCount
  • ConnectionsTotalCount
  • NumUnavailable
  • WaitingForConnectionSuccessTotal
管理コンソールやFusion Middleware Controlを使うと、UCPデータソースの作成、更新、監視が簡単です。

下図は管理コンソールのイメージです。作成にあたっては、データソースタイプのドロップダウンリストが現れ、UCPも含まれています。作成した結果、データソースディスクリプタのdatasource-typeは"UCP"になっています。

最初に、データソースのIDを決定するJDBCデータソースのプロパティを指定します。このプロパティには、データソース名、スコープ(グローバルもしくはMultitenantのパーティション、リソースグループ、リソースグループテンプレート)、JNDI名が含まれています。

次のページでは、ユーザー名、パスワード、URL、追加接続プロパティを設定します。追加接続プロパティを使ってUCP接続プールを構成します。コンソールでUCPデータソースの接続プロパティを設定する方法には2通りの方法があり、一つは接続プロパティのページで、UCPドライバで利用可能なすべての接続プロパティが表示されるので、プロパティ値を指定するだけでOKです。もう一方の方法は、続くデータベース接続テストページで、propertyName=valueの形で直接プロパティのテキストボックスに指定する、というものです。前ページで指定したプロパティ値はテキストボックス中に現れます。このページを使って、接続プロパティを含む指定した値のテストをすることができます。

データベース接続のテストページでは、プロパティの値をフリーフォームで入力し、データソース構成が確定される前に、データベース接続をテストすることができます。必要に応じて、プロパティ、システム・プロパティ、暗号化されたプロパティ属性を使って追加の構成情報を提供することができます。


最後の手順で、データソースのターゲットを指定します。新規のUCPデータソースのデプロイ対象を一つ以上選択することができます。ターゲットを指定しない場合、データソースを作成してもデプロイされないので、後でアプリケーションで接続を取得するまでにデータソースをデプロイする必要があります。

データソースの編集では、このデータソースタイプを構成、ターゲット指定、監視するための最小限のタブや属性が公開されています。


Middleware Controlは管理コンソールと似ていますが、Look&Feelが異なります。


JDBCデータソースをWebLogic Serverドメインのドロップダウンから選択すると、既存のデータソースと関連づけられたデータソースタイプ、スコープ、そしてもし利用可能であればリソースグループやリソースグループテンプレート、パーティションが確認できます。

既存のデータソース名を選択すると、データソース編集画面が現れます。リソースグループ名(存在する場合)を選択すると、リソースグループの編集画面が現れます。既存のデータソースのパーティション名を選択すると、パーティション属性の編集画面が現れます。[作成]を選択すると、データソースのタイプを選択するドロップダウンが表示されますので、UCPデータソースを選択することができます。

UCP作成画面の最初では、データソース名、スコープ、JNDI名、ドライバクラス名を指定する必要があります。
接続プロパティは次ページで指定します。管理コンソールとは異なり、UCP接続プロパティはリスト表示されませんので、"+"をクリックして新規エントリを追加し、プロパティ名と値を入力する必要があります。このページではデータベース接続もテストできます。
最後のページで、データソースのターゲット指定、新規オブジェクトの作成が可能です。

データソースを作成しデプロイすると、他のWebLogic Serverデータソースと同じく、アプリケーションでJNDIをルックアップしUCPデータソースにアクセスします。
import javax.naming.Context;
import javax.naming.InitialContext;
import java.sql.Connection;
import oracle.ucp.jdbc.PoolDataSource;

Context ctx = new InitialContext();
PoolDataSource pds = (PoolDataSource) ctx.lookup("ucpDS");
Connection conn = pds.getConnection();
アプリケーションでの利用方法は他のWebLogic Serverのデータソースと似ていますが、WebLogic Serverのデータソースの機能すべてを持っているわけではなく、UCP接続プールがサポートする追加機能が利用できます。なお、UCPデータソースはWebLogic ServerのセキュリティやJTAトランザクションと統合されていないことにご注意ください。UCP自身でJMX管理を有しています。UCPの概要については以下のリンクをどうぞ。
Oracle® Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド 12cリリース1 (12.1)
UCPの概要
http://docs.oracle.com/cd/E57425_01/121/JJUCP/intro.htm#JJUCP8109
Oracle® Universal Connection Pool for JDBC Developer's Guide 12c Release 1 (12.1)
Introduction to UCP
https://docs.oracle.com/database/121/JJUCP/intro.htm#JJUCP8109 

PoolDataSourceFactory.getPoolDataSource() の実行例を参照し、データソースのSetterを呼び出すと、WLSTや管理コンソールやFusion Middleware ControlのGUIで設定したUCPデータソースの内容を置き換えます。上記のように接続を取得する例を参考にしてください。