https://blogs.oracle.com/cloudnative/building-a-bigger-tent-cloud-native-culture-complexity
エンタープライズ企業がクラウドネイティブの文化とオープンソースを取り入れることをお手伝いすること
バルセロナで開かれているKubeCon + CloudNativeCon Europe 2019、Oracleのオープンソースプロジェクトとクラウドサービスは、エンタープライズ企業の開発チームがクラウドネイティブの文化、そしてオープンソースを取り入れることをお手伝いしています。今週もOracle Cloud Infrastructure Service Broker for Kubernetesのリリースとオープンソース化をお知らせしており、Oracleはエンタープライズ企業のワークロードをクラウドに移行するための、オープンソースとクラウドネイティブソリューションへの取り組みを引き続き広げていきます。
この取り組みには、エンタープライズのクラウド移行を容易にするOracleの最近の一連のオープンソースソリューションである、Helidon、GraalVM、Fn Project、MySQL Operator for Kubernetes、そしてWebLogic Operator for Kubernetesが含まれます。さらに、最近リリースされたOracle Cloud Developer Imageは、Oracle Cloud Infrastructure上での包括的な開発環境――Oracle Linux、Oracle Java SE(Java 8、11、12を含む)、TerraformとさまざまなSDKを含む――を提供します。お客様がクラウドへの移行をできるだけ簡単にするために必要なものがすべて使えることを確実にするために、Oracle Cloud Infrastructureをご利用のお客様はこれらのソフトウェアへのフルサポートを追加コストなしで受けることができます。詳細はこちら。
Oracle Cloud Infrastructure Service Brokerによって、お客様はOracleの第二世代クラウドインフラストラクチャサービスにアクセスしたり、それらのライフサイクルをKubernetes API経由でKubernetesの中から管理したりすることができます。特にOracle Databaseを扱う方々にとっては、Oracle Autonomous Databaseクラウドサービスをこの新しいService BrokerとKubernetesを組み合わせて使うことで、クラウドネイティブへの迅速で効率的な道ができたということになります。このユースケースでは、Service Brokerを使用してAutonomous Data WarehouseやAutomated Transaction Processingなどのサービスにつなげることで、Kubernetesでアプリケーション基盤すべてのプロビジョニング、設定、管理を自動化します。したがって、データベースを使うアプリケーションをクラウドに移行するだけでなく、同時に生産性を上げ、コストを下げ、アプリケーションアーキテクチャ全体をモダナイズすることができるというわけです。
わたしたちの現状
DevOpsはわたしたちがどのようにソフトウェアを開発したりデプロイしたりするかを変えました。オープンソースは何のプラットフォームを使うかを民主的にしました。そしてクラウドがどこでアプリケーションを開発し、稼動させるかの選択をとても豊かにしました。しかし、現実には多くのエンタープライズ企業の開発チームは取り残されてしまっています――こちらの調査や、こちらの調査でも示されているように、文化の変容、複雑さ、そして学習の課題に直面しているのです。
ソリューション:より大きく、より良いクラウドネイティブのテントを広げる
クラウドネイティブコミュニティはより大きなテント――①よりオープンでマルチクラウドな未来をサポートし、②持続可能で、③すべてのチーム――モダン/トラディショナル、スタートアップ/エンタープライズといったような区別なく――が入れるようなより包括的なもの――を広げる必要があります。それにより、複雑さを増していくのではなく、むしろ減らしていくのです。Oracleはまずはエンタープライズ企業が既に知っているところから始め、慣れ親しんだ場所からクラウドネイティブへの道のりへの橋や入り口を作ることでサポートをします。この戦略はオープンで、持続可能で、包括的なアプローチにフォーカスしています。
オープンソース:エンタープライズ開発者を後押し
Oracleのオープンソースプロジェクトはエンタープライズワークロードをクラウド上に、そしてクラウドネイティブアーキテクチャに移行することを目標としています。Oracle Cloud Infrastructure Service Brokerは、アプリケーションが依存するOracle Cloud InfrastructureのサービスのプロビジョニングとバインディングをKubernetes環境の中から行うことを可能にします。MySQLやVirtualBoxのほかにも、Oracleの最近の主要なオープンソースプロジェクトには以下があります:
- Helidon: プロジェクトHelidonはKubernetesフレンドリーな、マイクロサービスを開発するためのオープンソースのJavaフレームワークです。
- GraalVM Enterprise: 最近リリースされたGraalVM Enterpriseは、高パフォーマンスかつ複数言語対応のVirtual Machineです。クラウド環境、ハイブリッド環境でエンタープライズ企業に高い能率、より良い分離性と迅速性をもたらします。
- Fn: Fnプロジェクトはオンプレミスからパブリック/プライベート/ハイブリッドクラウド環境どこでも動く、オープンソースでコンテナネイティブなサーバレスプラットフォームです。また、サーバレスクラウドサービスであるOracle Cloud Infrastructure Functionsの基盤ともなっています。
- Grafana PlugIn: Oracle Cloud Infrastructure Data Source for Grafanaは、Grafanaを使用することによりヘルス、キャパシティおよびパフォーマンスのメトリックをクラウドネイティブな方法で監視、また管理できるようにしています。
- WebLogic Operator for Kubernetes: WebLogic Server Operator for Kubernetesは既存のWebLogicアプリケーションをKubernetesクラスタ管理へ容易に統合、また、活用することを可能にします。
- OpenJDK: Javaがオープンであること、その努力のひとつの焦点がOpenJDKです。OpenJDKはオープンソースの協調した努力により現在では6ヶ月の周期でさまざまな新機能がリリースされており、そのうちの多くはJavaをクラウドネイティブデプロイメントに最適化することを狙いとしています。
付け加えると、オープンソースコミュニティへのエンゲージメントはエンタープライズとクラウドに関する既存のプロジェクトを前に進めるに当たり非常に重要です。Oracleは多数のサードパーティのオープンソースプロジェクトへの貢献を続けており、また、Linuxを含む多くのプロジェクトのトップコントリビューターでもあります。
持続可能なクラウドサービス:マネージドかつオープン
この6ヶ月間において、Oracle Cloud Infrastructureでは広い範囲のマネージド・クラウドネイティブサービスをリリースし、またアップデートしてきました。以下にあげるサービスを含むそれらはmエンタープライズ企業が複雑さをスキップし、一足飛びに便利な生産性を享受することを可能にします:
- Functions - Fnプロジェクトをベースとしている、スケーラブルで、マルチテナントのサーバレスFaaSです。ユーザーに基盤のことを気にすることなく、ビジネス上の要件を満たすためのコードを書くことに集中させてくれます。
- Resource Manager: マネージドの「Terraform-as-a-Service」(オープンソースのTerraformプロジェクトがベースです)であり、OCIリソース、サービスをプロビジョニングします。
- Streaming: 継続した、ハイボリュームのデータストリームを取り込み、保持し、リアルタイムに処理するためのマネージドサービスです。
- Monitoring: ComputeインスタンスやBlock VolumeなどなどのOracle Cloud Infrastructureリソースのためのきめ細かな、すぐに使えるメトリックとダッシュボードを提供します。また、ユーザーは自身のカスタムアプリケーションメトリックを追加することもできます。
- Container Engine for Kubernetes (OKE): スタンダードなアップストリームKubernetesをベースとし、CNCF準拠の認証を受けたマネージドKubernetesサービスです。
包括的:モダン/トラディショナル、オンプレミス/クラウド
前述したオープンソースソリューションとクラウドネイティブサービスにより、エンタープライズ企業の開発者はクラウドネイティブの文化とオープンソースを取り入れることができるように、また、エンタープライズワークロードのクラウドへの移行を簡単にすることができます。そこにはデータベースアプリケーションチームからJava開発者、WebLogicシステムエンジニア、Go、Python、Ruby、Scala、Kotlin、JavaScript、Node.js開発者などなど、すべてが含まれています。たとえば、Oracle Cloud Developer ImageはOracle LinuxやOracle Java SEサポート、TerraformおよびさまざまなSDKを含む、包括的な開発プラットフォームを提供します。これはOracleのクラウド基盤を使い始める手間を減らすというだけではなく、Oracle Autonomous Databaseをプロビジョンし、稼動させるのを迅速かつ簡単にしてくれます。
KubeConではいつも新しいプロジェクトやエキサイティングな前進を紹介していますが、Oracleは既存のエンタープライズ企業の開発チームがクラウドネイティブの文化とオープンソースを取り入れていくことを助けるために、同じくらいの努力をしています。Oracle Cloud Infrastructure Service Broker for KubernetesやHelidon、GraalVM、Fn Project、MySQL Operator for Kubernetes、 それにWebLogic Operator for Kubernetesなどは、文化の変容と増していく複雑さといったエンタープライズ企業の課題と戦うための大きなテントを建てることをOracleがお手伝いしている方法の、ごく一部でしかないのです。